コンピュータでタイプして、消したりするときは、消しゴムみたいに、痕跡が残ったりはしない。だから、どれだけ推敲しているかっていうのは、読む人からしたら、あんまりわからない。その一段落を書くにあたって、どれだけ悩んだりしたかはわからない。

コードだって同じで、短かいコードだからといって、時間がかからなかったわけじゃない。特に僕はコーディング速度があまりにも遅くて、関わりあいの中に入るといろいろ困ることがあるけれど、関わりあいの中にいなければ、それは僕が「これだけ時間かかったよ」って言わない限りわからない。ひどい話だけど、時間がかかったとしても、意図してなり (つまりある程度、自分を良くみせようと) 意図していないなり (あるいは、できたこと自体で満足したとき) で、それを書かないことはよくある。

どれだけ難しいことも、ともかく書かなければならないのが基本なのだけれど、そのことを何度も何度も考えて自己暗示をかけるような状況になっていると、もう書けない。頭の中のルーティングが変な状態で何度もループしていると、それで固着して発想の転換ができなくなる。時間がないときにこのループにハマりこむと大変なことになる。

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