プログラミング言語については強く興味を持ち言語仕様を調べたりするのに、自然言語、例えば日本語についてはそんなに仕様を調べたりしないのは変だなとふと思った。
たぶん、間違いに気付きにくいことが大きな違いだと思った。プログラミング言語はコンピュータが解釈するから間違えているのが即座にわかるけれど、自然言語の場合、他人に読んでもらわないと間違いに気付かない。他人に読んでもらうというのはすごく敷居が高いしコストがかかる。そのうえ他人からの間違いの指摘というのは、コンピュータからの指摘と違って、大きく自尊心を傷付けられることがある。
さらに自然言語で特に母国語の場合、言語仕様について特に知らなくても運用できてしまう。なんとなくで使えて、なんとなく理解してもらえてしまうものだから、コンピュータ言語ほど厳密に書こうという動機が生まれない。
また、人間同士の場合、片方が理解しようとしている限り、コミュニケーションのコストをその片方に押し付けてしまうことができる。片方が伝える努力をしなくとも、片方が理解しようとする努力をしている限り、理解しようとしているほうに甘えてしまうことができる。コンピュータ相手であれば、コンピュータは理解しようという気がまるでないので、こちらが一方的に伝える努力をする必要がある。
人工言語であろうが自然言語であろうがコミュニケーション言語には変わりないので、もっと自然言語の仕様について敏感でもいいし、もっと伝えようと努めてもいいなと思った。