ビットフィールドとは
C/C++にはほとんど使われてないがビットフィールドという機能がある。
union {
uint8_t raw;
struct {
unsigned FAULT_QUEUE : 2;
unsigned CT_PIN_POLARITY : 1;
unsigned INT_PIN_POLARITY : 1;
unsigned INT_CT_MODE : 1;
unsigned OPERATION_MODE : 2;
unsigned RESOLUTION : 1;
};
} config;
このように書ける。struct 内で名前の後ろについているのが、そのフィールドで消費するビット数で、この場合合計で8bitになり、それを uint8_t と共用している。
こうすると config.OPERATION_MODE = 2; などと、マスクやシフトを伴わずに直接書けて、結果をconfig.rawでとれる。
めっちゃ便利なので使わない手はなさそうだと思いきや、実際のところ実用するのは不安がある。というのも、この struct 内のビット配置の順序は実装依存となっていて、uint8_t として評価したとき、どのような結果が返ってくるか確かなことがいえない。
コンパイラ依存
再発明
そこで、上記のようなビットフィールドを以下のように書きなおす
template <class T, uint8_t s, uint8_t e = s>
struct bits {
T ref;
static constexpr T mask = (T)(~( (T)(~0) << (e - s + 1))) << s;
void operator=(const T val) { ref = (ref & ~mask) | ((val & (mask >> s)) << s); }
operator T() const { return (ref & mask) >> s; }
};
template <uint8_t s, uint8_t e = s>
using bits8 = bits<uint8_t, s, e>;
union {
uint8_t raw = 0;
bits8<0, 1> FAULT_QUEUE ;
bits8<2> CT_PIN_POLARITY ;
bits8<3> INT_PIN_POLARITY ;
bits8<4> INT_CT_MODE ;
bits8<5, 6> OPERATION_MODE ;
bits8<7> RESOLUTION ;
} config;
uint8_t 全体を明確に共用する複数のstructという形にし、明示的にビットシフトやマスクを行っている。それぞれ、テンプレートの第一引数〜第二引数のビットを扱うクラスになっている。
用途
組み込みで他のデジタルICとやりとりをする場合、だいたいデータシートには [0:1] foobar みたいな形でビット範囲と値の説明が書いてあるので、それをその通り書きうつして union を作れば間違いなくビット操作できる状態になる。
これで安心してビットフィールドっぽいものが使える。
生成バイナリ
試した限りだと完全にインライン化される。また、1bitだけ書く場合andかorだけにまで最適化される。
int main(void) {
asm volatile ("nop");
config.OPERATION_MODE = 0b11;
asm volatile ("nop");
config.RESOLUTION = 1;
asm volatile ("nop");
config.FAULT_QUEUE = 1;
asm volatile ("nop");
for (;;) {
}
return 0;
}
こういうコードは
000000a0 <main>:
a0: 00 00 nop
a2: 00 00 nop
a4: 00 00 nop
a6: 80 91 00 01 lds r24, 0x0100
aa: 8c 71 andi r24, 0x1C ; 28
ac: 81 6e ori r24, 0xE1 ; 225
ae: 80 93 00 01 sts 0x0100, r24
b2: 00 00 nop
b4: ff cf rjmp .-2 ; 0xb4 <main+0x14>
こうなる
ref. https://gist.github.com/cho45/397f834791bae67166e1
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C++ でビットフィールドを再発明する