Category tech.


要件

  • PCで再生させた曲と電子ピアノの音をミックスしたい
  • 出力を3人で同時にヘッドフォンで聞きたい
    • この際、ヘッドフォンの種類が違う場合でも音量を揃えたい

普通だとステレオミキサ+複数出力のヘッドフォンアンプでやることだけど、電源の管理が面倒なので機器を増やしたくなく、これを同時にやる方法が見つからないので自作することにした。

動機

PCで再生させながらピアノの練習をしたりする必要があるんだけど、ピアノをひいてるとそっちの音しか聞こえなくなってしまうことがあり、特に子どもの場合走ってリズムがどんどんずれるので、自然と聞けるようになんとかしたい。

仕様

入出力

  • 3ステレオ入力 VR なし
    • 入力側の装置で音量調整できるので
  • 3ステレオ出力 VR あり
    • ヘッドフォンの種類が違う場合に音量を揃えるため

電源

  • 9V 電池をレールスプリットして両電源にする (±4.5V)
    • 実際は 8.4V の充電式リチウムイオン電池 006P 型
    • 出力コンデンサを省略したいので (小型化のため)
    • 100kΩで分圧し、中点を出力電流の多いオペアンプで増幅安定化させる

NiMH 1.2V 4本で±2.4Vとかでもいいかもしれないけど、小型にしたい+ミキサーの飽和電圧を上げたい+006P型リチウムイオン電池が1つ余っている、のでこういう感じに。

ミキサー部

増幅率1倍の反転増幅回路で特に変なことはしてない。アナログ加算回路

アンプ部

ミックスされたものを3つのオペアンプでそれぞれ増幅して出力する。これも増幅率1倍の反転増幅回路。ミキサー部でも反転させてるので位相は元に戻る。直接ヘッドフォンをドライブするので、ここも出力電流が多めのものにしておく。

回路図

オペアンプの品種が適当になっているが、実際に使ったのは全て NJM4556ADD。

消費電力

先に計算しておくべきだが面倒くさくてやってなかった。おかげで失敗。

オペアンプ1つの消費電流が6mA (±4.5V)、これが5つで30mA → 回路全体の実測で 37.5mA。常時バッテリー駆動するにはちょっと多すぎる。

電池が300mAhだと8時間しかもたない……

省電力な NJM022BD で 0.250mA なら、5つで1.25mA。これで10日ぐらい。

どっちにしろ、素直に電源スイッチかアダプタをつけたほうがよさげ、ということでACアダプタをつけて常時通電するようにした。

ケース

例によって KiCAD + FreeCAD kicadStepUp で 3D モデルをつくり、Fusion360 で読みこんで適当に設計したのを 3D プリントした。



ref.

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-03604/
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-02460/
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-04623/
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00207/
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-02683/

  1. トップ
  2. tech
  3. 電子ピアノ練習用のミキサー


こういう感じでケースにおさめた。

基板

あまり部品はないので片面基板を自力で切削加工して作った。1度目はいろいろとリワークが発生してしまったので2度目の基板。しかし 1PPS の出力をつけわすれていたので、あとからつけくわえている。

MCP4725 だけ少し厳しいピッチだが問題なかった。切削の場合デザインルールで0.3mmぐらいにしないと厳しいが、どうしてもルールをやぶらざるを得ない部分が出てきたりする。

電源に村田製作所製のフルモールド2出力降圧DC-DCコンバータを使っている。MCU など用の 5V と、OCXO 用の 12V を十分余裕を持って出力できる。ただし入力電圧が16V〜40Vと若干高い。24V入力で使っている。

ケース

YONGU Enclosure というところのケース 145*54*150 を
Aliexpress で買った。割と安い。買ったあと「3D CAD ファイルある?」と聞いたらすぐ送ってくれて便利。まぁこれはサイトに載せといてくれれば手間にならないんだけど。

こういう前後パネルがフラットな板のタイプだと加工しやすいので、好んで使っている。

3Dモデルづくり

穴あけやパネルのデザインのため、できるだけ3Dモデルを作るようにしている。パーツごとの干渉を前もって知れたりするので便利。今回はケーブリングもモデリングするようにした。ここを省略すると曲げ半径的に無理があって蓋がしめられないということもあるので……

厳密でなくても良い汎用部品なんかだと、GrabCad で STEP ファイルが得られたりする。SMA コネクタとかは GrabCad からダウンロードしたものに手を加えて使ってる。

Fusion360 の場合、このモデルからさらにパネルのCNC切削Gコードまで持っていけるので楽。Engraving のパスがバグってて困るが……

切削など


文字は30°のVカッターで掘りこみ。これはZ精度が必要なので、加工箇所ごとにわけてGコードを作ってから、加工箇所ごとにZをぴったりあわせたほうが良さげだった。掘っただけで色は入れていないけど、もともと黒のアルマイト加工がされているので、地色を出すだけでコントラスト的に白色に見える。あと、やすりをかけられないのでカッターの切れ味がよくないとつらい。

他の加工はほぼ普通の穴あけ。ただしディスプレイのところだけ傾斜をつける加工をした。これは等高線で降りていく加工にした。0.03mmぐらいで降りるようにしてみたが一切加工段は見えないので、もうちょっと荒くてもよかったと思う。

  1. トップ
  2. photo
  3. GPSDO 10MHz 実装
  1. トップ
  2. tech
  3. GPSDO 10MHz 実装

フランクリン タイトボンド 115mL -

5.0 / 5.0

「木工用ボンド」というと、コニシ社が製造する酢酸ビニルの白いボンドが想像されるが、それと直接競合するボンドにアメリカのフランクリン社が製造する「タイトボンド」というのがある。

比較

「木工用ボンド」はどこでも手に入るので使ったことがない人はいないレベルだと思う。タイトボンドは入手性がかなり悪い。

タイトボンドの良いところ

  • 固定時間が短かい(乾燥がはやい)
  • 乾燥すると固くなる(粘性が残らないので、ノミやスクレーパーでスパっと削れる)
  • キャップが使いやすい

タイトボンドの悪いところ

  • 入手性が悪い
  • 乾燥が速すぎることがある(こういう場合は木工用ボンドを使えばいいと思う)
  • ちょっと高い

何が良いか

個人的な感想だと「固くなる」のが一番良く感じる。これにより余分にはみだしても硬化したあとヤスリで削るのが楽だし、ほぼ木材と近い硬さなので、ノミやカンナにかけることもできる。

そしてキャップが使いやすい。キャップをひっぱるとすぐ塗れる構造になっていて、キャップ自体で塗りひろげできる。これが便利。コニシのやつと比べるといちいちキャップの裏の突起をあわせてねじるみたいな作業をしなくて良い。

  1. トップ
  2. tech
  3. タイトボンドの使い勝手が良すぎる