反省しているのを悟って、あんまり何も言わない人ってのは、すごい人だな、と思う。今回はそういう人ではない。俺はそういう人になりたい。
その人の様子がかなりおかしかった。何時も派手に呼び捨てで、口もよくない人なのに、今日に限って敬語と「さん」付けだった。悪い予感がしたよ。何かが起こるって。そして実際起こった。でもそれは俺に起こったことではなく (間接的には起こっているけど。後述)、その人に起こったことだった。ちなみに、口が悪いからといって、別に俺はその人が嫌いなわけじゃない。いい感じのする人か、悪い感じのする人かに分ければ間違いなく前者。
彼は少し前にミスをしていて (詳細は知らない)、そのせいで今日責任者の人に怒られた。怒られに行った。今日最初顔を合わせたときからなんか凹んでいるのが見て取れたので、なるほど、と納得した。(なんで凹んでいるのか、その時までずっと考えていた。それほど失礼だけど不気味だった) 俺 (ら) の目の前で怒られていたので、俺もそれを目の当たりにしたし、その場から離れることが (できればしたかったけれど) できなかったので、聞いていた。責任者の人はまぁアレで、かなり怒った。怒鳴り散らすわけではなく、静かに怒る人なので余計怖かった。めちゃくちゃ怖かった。あいや、怒鳴り散らす人もそれなりに怖いのだけれど……
こういう「誰か」が怒られるケースってのはすごく嫌いだ。別に自分が悪いことしたわけでもないのに、めちゃめちゃ怒られた気分になって、凹む。これだからグループってのは嫌だ。だってさあ? 何時かはその立場に自分が立つこともあるわけですよ。ほぼ絶対に。ミスをしない人間はいないけど、ミスをする可能性は一瞬一瞬にあるんですよ。嫌です。俺は怒られたくない。ホントに……てか怒られたいとか思うやつはただのマゾだからどうでもいいんだよ。勝手に怒られてろ。俺の代わりに。
まぁいいや、とにかく、俺は、ミスした人をよく見たいと思う。反省して、十分凹んでいるなら、何かそれ以上怒ることがあるんだろうか……? 俺は誰にも怒られたくない。人間は怖い。怖いうえにバカばかりだ。頭がおかしい。そして殆ど場合俺より偉い。嫌な世界だ。