都会のスナップの面白さは、鑑賞者にとって見慣れた場所にも関わらず、他人の視点を、写真として見せられることにあると思う。

そのような写真、すなわち「想定鑑賞者の大抵の人が行ったことのある場所」を写す場合、多少奇を衒う感じにしないと目をひかない。しかしインターネットのように想定鑑賞者が不特定多数の場合、できるだけ人口の多い都市、あるいは誰もが行ったことのある観光地の写真のほうが、そうでない都市より、あたりやすいんだろうなと思う。

東京近郊に住んでる人に「東京のスナップです」って写真を見せたら「ああ、あの場所をこう切り取るんですか」っていうのがあるだろうけど、「名古屋のスナップです」って写真を見せても、どう楽しめばいいかよくわかんないと思う。事前に持ってるコンテキストが違うから「へーこれが名古屋ですか」としか言いようがない。「名古屋を写したその人の写真」ではなく「名古屋についての写真」になってしまう。逆にしてもそうだと思う。


写真に限らなくて、同じ日本に住んでる人の日記だから「ああこの人は日本の空気をこう感じるか」ってのがある。でも同じような日記でも外国に住んでるその国の人が書いてる日記だと「その国ではそうなのか」って思ってしまうと思う。

日曜日は根津から根津神社・東大付属植物園によって茗荷橋谷まで歩いた。