移動用のオールモードトランシーバーが欲しい
と思いはじめ、いろいろ調べてみた。移動といっても車も自転車もないので、バッテリーやアンテナなども含め徒歩や公共交通機関で運搬可能な範囲でなければならない。
国内だと FT-817ND というリグがこの用途ではスタンダードなようでかなりたくさんの人が使っている。FT-817ND は2001年発売とかなので、おそろしく長く売ってる無線機となっていて、国内には競合製品がない。
ほかにも候補があるか?と思ってさらに調べてみると、アメリカ Elecraft 社の KX3 というのが良さそうだということがわかった。こちらは2012年?ごろに発売された比較的新しい無線機で、FT-817ND と同じぐらい小さい。
結論からいうと表題の通り KX3 を買ったが、以下のポイントで決めた
- 変調/復調を全部DSPでやってる
- クラシックなスタンドアロン無線機の外観だが中身は完全にSDRでかっこいい
- I/Q信号 (直交信号) を出力する端子があるので、サンプリングデバイスさえあればPC SDRも可能
- 消費電力がFT-817NDに比べて多少低い (特に待機電力は低い)
- 移動に使いたいので少しでも効率が良いと嬉しい
- 軽い
- ファームウェア更新の頻度が高い
- ちゃんとメンテされており、なおかつ更新して改善できるほどの柔軟性がある
問題は主にコスト面で、FT-817ND がフィルタ込みで9万円ぐらいで買えるのに対し、KX3 は必要なオプションを入れていくと1.5倍ぐらいになる。また、技適を取得していない無線機なので、局免をとるのに結構ハードルがある。
届くまで
特に何も考えず Elecraft に直で注文した。
- JSTで木曜日の午前中に発注 USPS Priority Mail Express International
- オーダー確認メールがすぐにくる
- なんか他の人だとこのメールに返信してる人がいるけど、ただの確認なので返信する必要ないと思う
- JSTで金曜日の早朝に発送
- PST だと木曜日の午後なので、2営業日以上かかると書いてあったけどかなり早く発送された
- カリフォルニア州フリーダム → サンノゼ → サンフランシスコと移動
- 金曜日のうちに Processed Through Sort Facility / ISC SAN FRANCISCO (USPS) になる (サンフランシスコ国際空港から発送の状態)
- PST では金曜早朝
- その日のうちに航空便に乗るかなと思ったが乗らず5日(3営業日)経過
- 翌週、JST 火曜日の夜に東京国際郵便局に着
- USPS側ではステータスは更新されず、JP (Japan Post) 側だけ先に更新
- 水曜日午前中、通関手続中に
- 2時間ぐらいで次の通関手続中
- 木曜日午前中に国際交換局から発送に
- 金曜の早朝に配達店到着
- 金曜の昼ごろ到着
国外にあるうちは USPS のほうが細かくステータスがアップデートされるけど、国内に入った瞬間からJPのほうが早く更新されるようになるみたい。2時間ぐらい遅れてUSPSにも反映される。
オプションや価格
モジュールキットと完成品とがあるんだけど、せっかくなのでモジュールキットにした。地味にこういうの苦手なのでちょっと心配なんだけど、Elecraft の About ページ 見てたらキットにしなければならない気がしてきたのでそうした。
ケーブルセットは案外 L 型のコネクタが手に入りにくいので買っておいた。ルーフィングフィルターは自分の用途だとたぶん必要ないけど、CW メインでやるという意気込みをもって追加した (あとから追加すると調整が面倒)。アンテナチューナーはワイヤーアンテナでもいける感じのやつなので、最悪長いケーブルさえあれば出れるように追加した。
- KX3-K KX3 160-6 M Xcvr (Modular Kit)
- KX3-PCKT Accessory Cable Set
- KXFL3 dual-Passband Roofing Filter
- KXAT3 Internal, 20-W Automatic Antenna Tuner
なかなかかかる。無線機に関税はかからないけど、消費税は税関でかかる。
注文しちゃったあとで調べたら国内代理店だと、ちょうど代理店の手数料分1万ちょいだけ浮く感じだった。直販だと届くまでに日数がかかるのと、ちゃんと届くのが不安とかがあるので、代理店で買ってもいいレベルの差ではあるかもなあという印象。
組立
思いのほか小さい箱で届く。
検品からはじめて、最初に動かすまで4時間ぐらいかかってしまった。めちゃくちゃ難しいみたいなことはないんだけど、小さいだけあって中身が狭いので、ビス締めるのが微妙にむずかったり、ケーブルの接続がしにくいとかがあった。とりあえずちゃんと動いたのでよかった。
ビスの長さが一部 (スピーカーまわり) で違ったんだけどなんとかなったっぽい。アメリカンな感じ…
ファームウェアはなぜか最初から最新 (2014-07-11) の beta 版 (production 版と別れてるんだけど) が書きこまれていたのでアップデートはしていない。