3D プリンタフィラメントの湿度管理をはじめた。
フィラメントは割と吸湿するらしく、できる限りドライな状態を保たないと、最悪印刷できなくなることもあるようだ。そういえば、と考えてみると PETG でも白っぽくプリントされて表面の状態がかなり悪くなることがあった。吸湿が原因かわからないが、可能性はある。
フィラメントをすぐ使いきるようなヘビーユーザーでもないので、できるだけ品質を長くたもちたい。
吸水率
- ABS: 0.1〜0.8%
- PLA: 0.5%
- PET: 0.3%
ref. http://www.kayo-corp.co.jp/common/pdf/pla_propertylist01.pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber/59/10/59_10_P_324/_pdf
吸湿 (吸水) が原因で起こりうる問題
- 糸ひき (加水分解による粘性低下)
- 光沢不良
- フロー不足
- ノズルでのパチパチ音 (蒸気が逃げる音)
- ノズル詰まり
箱
食品保存用のアスベル キッチンボックス 17L 「ウィル」 NF-45というのを買ってみた。フィラメントを納めるにはちょうどいい。3リールほど入れることができる。蓋にパッキンがついていて、これで密閉度を高めるようになっている。パッキンはメーカーでスペアも販売している。
アスベルのこのボックスは完全密閉というわけではないみたいだが、後述するようにフィラメントを通す穴をあけるので、いずれにせよ完全ではなくなる。目的は水を漏らさないということではなく湿度を下げた状態をキープすることなので、乾燥剤が十分に延命できれば良い。
加工
防湿しつつフィラメントをそのままプリンタに供給したいので、加工する。
フィラメントを出す部分のパーツは Angled Dry Box Feeder with Source を使った。ドリルするときのガイドパーツまであって親切。これに以下の PC4-M6 ワンタッチ継手と、OD=4mm ID=2mm の PTFEチューブを使っている。
フィラメントホルダーは Universal Filament Holder を使っている。これだと残念ながら3つのリールを入れることはできず、2つアクティブ+1つスタンバイという感じになる。
乾燥剤
ひとまず塩化力ルシウムのものを1つ入れている。これは使い捨てだが元の体積以上に吸湿できる。
またシリカゲルをリール近くにおいている。これはフライパンで炒れば再利用可能。
今一緒に入れている湿度計は20%未満になると湿度の表示を止めてしまうので、どのぐらいまで湿度が下げらているかよくわからないが、室内湿度が55%程度でもずっと20%未満なので割といいんじゃないでしょうか。