そんなに複雑なことをしたいわけではないつもりだが、結果的に若干複雑なので記録しておく。
Notepad-8FX のわかりにくいところ
このミキサに限らないが、どこの信号がどこに入るのかわかりにくい。
USB に関してはドライバを入れると、USB Input 1+2 (ステレオライン入力として認識される) にくる信号をいくつか選べる
- Mic Input 1+2 (1ch / 2ch がそれぞれ L/R になって入力される)
- 当然 1ch にだけマイクを繋ぐとLchだけの信号となる。
- ハイパスフィルタのあと、イコライザやFXの前
- Stereo Input 3+4 (LINE 3/4 入力)
- Stereo Input 5+6 (LINE 5/6 入力)
- トリムの後
- Mix L+R
- Master ミックス後・フェーダー前
- Mic Input はモノラルとしてPANにしたがいL/Rに振られるので、マイク音はL/Rチャンネル両方にくる
USB Out は 7/8ch として Master にミックスされるため、USB 出力を Notepad に設定した場合、Mix L+R はループバックということになる。(この機種はループバックできるできないという情報が混在してるが結論からいえばドライバいれればできる)
AUXとFX
AUXとFXはつまみは共有しているが信号としては独立している。ややこしい。
そもそもAUXとは何か?
- Master とは別系統のもう1つの auxiliary (補助) 出力
- モニターなどの用途が想定されている
- この出力のミックスレベルは各チャンネルの AUX/FX つまみで決まる
- AUX出力にはFXはかからない
FXは何か?
- 内蔵エフェクト(リバーブなど)
- 各チャンネルのAUX/FXで送る量を決められる
- 効果のパラメータを PARAMETER つまみで決められる (全ch共通)
- FXを通った結果は Master へミックスされる
- 元の信号のMasterボリュームがゼロでないなら、元の信号に追加でミックスされる
FXの利用とAUXの利用は排他と考えたほうがすっきりする。というか、FXを使う場合、AUX 出力は FX を通る前の信号のモニタリングという用途に限定される。
ループバックしつつ、デスクトップ音量をコントロールする
自分はデスクトップ音とマイクのモニター音を常に聞くが、マイク入力には基本的にはマイク音しか入れない。ということをしたい場合、2通りの方法がある
- USB Input 1+2 を Mic Input 1+2 にし、Master mix を聞く
- シンプルだがマイク入力しか入れることができない
- マイク入力もミキサ上のイコライザを通した音にはならない
- USB Input 1+2 を Mix LR にし、AUX を聞く
- イコライザなどミキサ上の設定が反映される
- デスクトップ音のループバックができる
- 他のチャンネルに入力した信号もコントロールして USB 入力にできる
後者のほうが自由度が高いので後者で考える。
やりたいこと
一旦 Mic1 + USB Out だけを考える。(Mic 2, LINE 3/4, LINE 5/6 は使わない)
ヘッドフォンOUTにヘッドフォンを接続して
- マイク(1ch)をモニター
- デスクトップ音(7/8ch)をモニター
かつ、USB 入力としては
- マイク(1ch)を入れる
- デスクトップ音(7/8ch)は入れない (というよりコントローラブルにする)
としたい。
この場合出力したいミックス系統がUSB入力音とモニター音とで2つあるため、Master 出力と AUX 出力を使うことになる。USB 入力できるのは Master 出力なため、AUX がモニター音になる。
運用方法
USB Input 1+2 を Mix L+R (ループバック) にしつつ、Notepad 側で 7/8ch の Master Level を調整する。
1ch と 7/8ch を AUX に送るようにする。
MASTER/AUX スイッチでヘッドフォンOUTに出力される音を MASTER と AUX で切り替えられる。つまりデスクトップ音を入れたマイク音と、実際にPCに入力されているマイク音を切り替えられる。
Master のフェーダーはUSB入力には影響しないので基本的に使わない。がPC側の入力ゲインとLEDの点灯が近いようにゲイン調整するとミキサ側で状態がわかりやすい。
問題点: FXは使えない。FX に送る信号量は前述の通り AUX ノブと共通なので、デスクトップ音を AUX に送っていると FX をオンにしたとき Master に FX 経由の音が漏れてきてしまう。
あとPC側でモニタ音を入れてはいけない。
ゲイン調整
マイクゲインが一番融通きかないのでここからはじめる。イコライザを中点にし、100Hzのハイパスフィルタを入れてゲインを3時ぐらいまで上げる。
イコライザは下から12kHz shelf, 2kHz bell, 80Hz shelf。