2年前の買ったダイキンのACK75L-Tの中に虫が入りこんで死んでいるっぽいので分解清掃した。

ダイキンは法人向け技術資料を普通に公開しているので、詳しい分解方法 (公式) を普通に知ることができる。だいぶ便利。普通のユーザー向け取説と同じぐらいイラスト付きで親切に書いてある。

幸い、1匹が原型を保ったまま死んでいるだけでよかった。粉々になったカメムシとかいなくてよかった。

一応、開いて掃除できる部分は掃除したけど、さすがに何重もフィルターしたあとの部分だけあって、目に見えるほこりはなくて、非常に細かい粒子みたいなのが一様についている感じだった。ウェットティッシュで拭くと真っ黒になる感じ。

RTTY (ラジオテレタイプ = 無線による文字伝送) というものがありまして、大変昔昔に考えられた通信プロトコルなのですが、アマチュア無線では一応現役のデジタルモードであります。

RTTY で通信すること自体にはあんまり興味沸いてなかったのですが、プロトコル自体には興味があったので、Web Audio と絡めて、試しに実装をしてみました。

RTTY のプロトコル

そもそも RTTY はラジオテレタイプの総称なのですが、アマチュア無線においては典型的には以下のようなプロトコルのようです。

  • 170Hz シフトの FSK (複数の周波数を切り替えて信号を伝達する)
  • 5bit の ITA2 コード Baudot Code (ボーコード) で、スタートビット1bit、ストップビット1.5bit の非同期方式
  • 速度は 45.45 ボー (22msecごとの符号)

さらに、無線機とのインターフェースとしては AFSK (Audio? FSK)、直接FSK というのがあって、前者は LSB モードの音声としてオーディオ帯域を入力するもの。後者はキーイングに応じて無線機側で直接送信周波数を 170Hz シフトさせるものです。

AFSK だとマイク入出力だけで無線機とのインターフェイスが完結するので接続は簡単になりますが、無線機に表示されている周波数と実際発射される周波数にズレが生じたり、ALC の調整とか、電波の質とか、送信が少々面倒です。まぁしかしとにかく AFSK として実装をしました。

なので、送信側としては 2125Hzの「マーク」符号 (=ビット1に相当) と、シフトされた「スペース」符号 (=ビット0に相当) を作ります。

Baudot Code

RTTY が開発された当初には ASCII コードとか存在しなかったようです。

5bit しかないので、アルファベットと数字・記号をシフトコードで切り替えながら送受信することになってます。なので、シフトコードの受信にミスると文字化けが起こります。

出力 (送信)

まずデバッグしやすくするため、送信側から作りました。デバッグには既存の MMTTY を wine で起動してマイク経由で適当にやりました。仕様通りに信号を変調すればいいので送信は比較的楽です。ただ、以下の点にハマりました。

  • LSB モードの復調結果を取り込むことを前提としているので、マークとスペースの位置が反転する (スペースが170Hzアップシフトになる)
  • 下位ビットからの送信

入力 (受信)

まぁ当然めんどうくさくて、とりあえず同期検波を実装してみました。マーク周波数、スペース周波数それぞれについて、I と Q (1/4位相ずれ) 信号を作ってやるやつです。それで直流になるので、あとは頑張って22msec分のサンプルを数えながらデコードしています。

この方法だと特にフィードバックとかがいらず、ストリーム1パスで処理できるので気が楽でいい感じです。

今回は JS 側でフィルタとか書きたくなかったので、最後のほうまでダウンサンプリングせず、できるだけ Web Audio の API で実装してみました。単に面倒だったのと、Web Audio の知見を溜めようという狙いです。I/Q な信号が2本なので、合計4チャンネルの信号を作って一気に1つのローパスフィルタノードに入れたりして結構楽しい感じです (ただ、こうするとチャンネル間で干渉するっぽい)。オシレーターノードを使ってもっと綺麗に書けないかと思ったけど、かえって面倒だったので素直に sin/cos してます。

ちなみにローパスとハイパスの Q 値は 0 以上の場合、カットオフ周波数付近がなぜか増幅されるという挙動になるのでハマりました。減衰傾斜が急になるのだとばかり思っていたら全然違った。バンドパスの場合の Q 値は上げても減衰傾斜が急になるだけです。

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