ErgoDox ではないナニか。オープンソースかつ Bluetooth 接続のキーボード | tech - 氾濫原

まず思いつく現状の不満とかを考えて、それを盛りこんで作ろう、という方針を決めた。つまり

  • 左右分割にしたいなあ
  • UNIX 配列準拠がいいなあ
  • Bluetooth がいいなあ

あたりが最初の方針になる。


できるだけ MacBook 標準のキーボードでも十分開発できるぐらいの状態を保ちたいので、奇抜なキー配置のものは例え身体に良くても精神に悪いので使いたくない。

市販品で近いものを探すと、Kinesis freestyle2 あたりがイメージに近い。これをキーリマッパでカスタマイズすれば実用的にはいいかもなとは思った。

Kinesis Freestyle2 Keyboard [KB820PB-us]【キネシス フリースタイル2(9インチ)+VIP3セット Win版】 -

3.0 / 5.0

あと、普通の(普通ってなんだ?)左右分割キーボードの内側のキーにも不満がある。左右分離の場合、タッチタイピングで左手に所属するキーを右手では決して打てなくなる。

しかしゆるふわタッチタイパー的には、中央付近のキーは右手でも左手でも打ちたい。つまりキーをオーバーラップさせたいが、そんなキーボードはこの世に存在していない。僕は「タッチタイピングの矯正」とか別にしたくなくて、ゆるふわでいきたい。

ErgoDox の設計の分析

まずErgoDox はキー数が少なくて UNIX 準拠にはできない。キー配列の画像を見ればわかると思うが、右側にキーが足りない。例えば HHKB なら P の右には [ と ] と DELETE があり3つのキーが続くが、ErgoDox だと1つしかキーがないので無理。ソフトウェア的になんとかするしかない。

なお ErgoDox は設計段階で左右の基板が共通となっている。両面基板をリバーシブルに使うことで両手に対応させている。これにより基板の製造コストはかなり減る (特に小ロットで外注する場合は半額にできる)。ただし、設計には左右対象であるという制約がつく。

一般的なキーボードは右手担当のキーが多く、左右非対称になっている。左右対象という制約をつけると、一般的なキーボードからかなり離れることになる。これはエルゴノミクス的には正しい気はするがよくわからない。ただ、キーが少ないのは現実的に不便だと思う。

余談だけど、右側のキーが多いことも考えると世の中のキーボードは右利き用ではないかと思った。左利きはキーボードにおいても不利を強いられていないだろうか? (僕は右利きなのでそんなこと思いもよらなかったんだけど)

仕様

そういったことを踏まえて自作するキーボードの以下のように仕様とした。

キー配列の仕様

  • UNIX キーボードを2分割した形を基本にする。つまり HHKB とほぼ同じで、Ctrl キーはAの左、ESC は 1 の左など。
  • 矢印キーはどうしても欲しい (HHKB への大きな不満のひとつ)
  • F1〜F12キーもできれば欲しい (HHKBへの小さな不満のひとつ)
  • 中央のキーを1列分オーバーラップさせる
レイアウトの詳細


HHKB からの変更点

  • スペースキーが2分割に
  • F1〜F6, F7〜F12 キーの新設
  • 矢印キーの新設

まず「ぼくのかんがえたさいきょうのキーボードはいれつ」を Inkscape で書いてレイアウトを検証した。軽く書くというよりは CAD 的にちゃんと書いた。のちのち Inkscape からエクスポートして KiCAD で読みたかったため。

備考

  • 僕は右手のスペースキーをほぼ全く使わないので、実質飾りである。
  • Caps Lock キー? そんなものはない。写真にある Caps Lock は Shift キー(キーが足りなかったので)
  • 矢印キーを置くところがなくて右手親指付近に置いている (が、これはちょっと邪魔だった。あと1キー分左にずれていたほうがいい…)

技術仕様

同時に、いくつかこうしたいという仕様も決めた

  • NiMH 単3バッテリー2本で半年ぐらい持つ (普通の製品ぐらい持つこと)
  • 左右ボード間の接続は有線
  • USB に逃げたくなったとき逃げられるようにしておく
    • 制御用のボードは分離して設計すること

一方、躯体については殆ど考えてなくて、いきあたりばったりで基板を作ってから3層構造にした。製作編で詳しく書く。

なお省電力であればあるほどいいけど、そこそこ電波が出るデバイスなので、BLE が生きるぐらいの省電力にはならないだろうという気はしてた。

左右のキーボード間も無線にしたかったが、セキュアにしようと思うと BLE Nano 2台でそれぞれHIDキーボードにしてしまうのが楽ということになってしまう。今回はそういうことはしたくなかったので、ここは有線で妥協した。

ただ、左右どちらも回路構成が完全に一緒なので、単に制御用の基板を2つ用意して取り付ければそれぞれHIDキーボードとして使うことができるようにはした。

つづく → 自作キーボードの製作 — 回路設計とアートワーク・ハードの製作編 | tech - 氾濫原

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