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電池ケースの電圧降下
よくある、マイナス側がスプリングになっている電池ケース、直列10個のものを使っていたが、どうも電圧降下が大きい気がしたので計ってみたところ、端子一組あたり67mΩほど抵抗があった。
10個直列で入っているので、およそ合計で 670mΩ の抵抗が直列で入っている。つまり 2A 流すと、これら金具だけで 1.34V も電圧降下が起きてしまう。約 2.68W もの電力がケースだけで失なわれる。
検索したところ、この手の電池ホルダーの性能があまり良くないのは有名らしく、特にスプリングの材質があまりよろしくないようだ。
いろいろ探した結果アメリカ Keystone 社の電池ホルダーがよさそうということがわかったが、廃盤のようで非常に高価になってしまっている。昔は秋月で100円ぐらいで売っていたみたいだけれど、今はもう単4のものしかない。
ということで、代わりにaitendo の電池ホルダで作ってみた。(秋月にも同様の製品はある)
これで作ってみたところ、電池1つあたりの電圧降下は 1A のとき 5mV つまり抵抗値は 5mΩ になった。10本で 50mΩ ということになり、2A時でも 100mV の電圧降下に抑えられ、大きく改善された。
この電池クリップ(ホルダー)は基板にうまく固定する必要があって面倒なのと、プラス/マイナスの入れ間違いをしても気付けない (フェイルセーフがついてない) ので、あまり好ましい感じではない。が、電池ケースでやたら無駄に電力が熱に変わるのは嫌なのでしかたない。
測定方法
テスターの抵抗測定機能だと微小抵抗はちゃんと測れないので、デジタルマルチメーター2台による4点計測方式で測定した。
電池の金具部分に比較的大きな電流 (経路中の定格を上回らない程度) を流し、測定対象で降下した電圧を計って抵抗値を求める。今回は直読できるように、安定化電源の定電流モードで、丁度1A流れるようにして測定した (1A 流した場合、R = E / I なので、R = E になる)
ただし、電池を入れた状態での測定ではないので、電池の端子との接触抵抗は測れていない。あくまで金具中の抵抗値だけを計っている
このエントリを参照するエントリ
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移動運用について重さから考える
一通り移動運用に必要なものとその重量を表にして重量支配率のグラフを作った。
- カバンが重すぎ
- MacBook Pro が重すぎ
なので、まずこれらをどうにかする必要がある。カバンはもっと軽いカバンに変えるしかない。MacBook Pro は、昔使っていた Air に新しく無線用のユーザをセットアップしたらちょっとよくなるかもしれない。
カバンを半分の1kg、MacBook Air 11in 1.08kg に変えるとすると、これらだけで 1.6kg 程度軽くすることができる。または、ノートPC自体を止めてスマフォだけでの運用方法を考えたほうがいいかもしれない。
あとは
- カメラバッグでクッション付きなので、ソフトケースは無駄そう
- バッテリーはさらにリチウムイオンの高容量のが欲しいので実際はもっと重量を増やしたい
KX3 ACC1の無線化 (シリアルポートのBluetooth化)
KX3のPC 接続用 ACC1は、RS-232C レベルの電圧レベルを想定している(正確には、0VとVCCの負論理になってるけど)
これをBluetooth化してみたという話。
部品
使ったのは
- RN-42 (Bluetooth SPP モジュール)
- 3.3V レギュレーター付きの RS-232C 3.3V ロジック変換モジュール
RN-42 は1500円と、余り安くはないのだけれど、国内技適マークがついており合法的に使える。また、シリアル経由または、接続済みBluetooth経由で内部設定を変更できるモードがあり、簡単に柔軟な設定ができる。
ロジック変換には3.3Vレギュレーター付きのちょうど良いのがあったので、これにしてみた。
実際のところ、負の電圧はいらないので真面目にRS-232C変換する必要はなく、単に電圧と論理変換さえできればいいので、ICを使う必要はないけど、面倒なのでこれにした。
レギュレーターの耐圧が14Vなので、13.8V だとギリギリすぎるのと、ドロップ電圧が大きくて結構発熱してしまう。本当ならKX3内部のスイッチングで降圧された3.3Vに接続できたらいいのだけれど、良い方法がない。40mA 流すと 0.42Wは熱に変わってしまってエコではない。
製作
ただ繋ぐだけなのでデータシート見つつ半田付けしたら普通に動いてくれた。
デフォルトだと115200baudになっているので、screen /dev/tty.xxx 115200 で接続した後に、以下のコマンドで設定しなおす。(38400baudに)
// <CR> は改行 // コマンドモードに入る (GPIO5 が10Hzで点滅するようになる) $$$<CR> // ボーレート設定 SU,38.4<CR> // 設定確認 D<CR> // 再起動 R,1<CR> // コマンドモードを抜ける ---<CR>
(エコーされないので、ローカルエコーを有効にしたほうがわかりやすい。コマンドモードに入ってから + を送るとエコーが有効になる)
これはどうやら電源を切っても記憶されているようなので、最初の一度だけで良い。
最初、ボーレートの設定方法がわからず、GPIO7をプルアップして9600baudに固定してみたが、上記の方法で自由にボーレートを設定できるので、GPIO7は何もしなくてよい。GPIO7 をプルアップした場合、ソフトウェア設定に関わらず強制的に9600baudに固定される。マイコンとか別途繋いだ場合、設定はボーレート強制したほうが安定するとか、そういう用途に使えそう。
GPIO5 は接続が完了すると出力がゼロになるので、LEDを繋いでいても接続中は電流が流れずエコ。ただ、これは対応するデバイスファイルを open しタイミングで消えるので、ペアリングしただけではチカチカしたまま。
使用感
デバイスを指定すれば自動的にペアリングされ、/dev/tty.xxx に勝手にデバイスファイルが作られるので、それを指定して普通にシリアル通信すればよく、特に Bluetooth だからといって難しいことはない。
遅延がちょっとあって、ケーブル直と完全に同じ使用感という感じではない。
メリット
- シリアルケーブルがいらない
- ホストPCのUSBポートを占有しない
- PC との GND の分離
デメリット
- KX3側での消費電力増
- 遅延
無線化できるメリットはあるにはあるけど、めっちゃ便利というほどでもない。サイドに繋いでいるケーブル類の殆どの無線化できたら便利だろうけど、難しい。数本繋いでいるうちの1本ケーブル減ったくらいでは嬉しさがあんまりないなという感じ。
可能なら
電源をスイッチング降圧にしたいが、スイッチングだと
- デカい
- ノイズ対策が必要
というのが厳しい。0.6W ぐらいならリニアレギュレータで我慢するほうがいいかもしれない。
あと、丁度いい小型のケースを見つけるのが難しい。今回は aitendo のプラケース (22x11x43)を使ってみたが、aitendo は在庫が安定してないので、タカチの SW-30B (20x18x30) か SW-40B (30x20x40) がいいかもしれない。
RS-232C をモジュール基板でやってるのも無駄なので、表面実装の適当な Vth 低い FET でやるようにできるとよさそう。
追記
SQ,16 というコマンドをうちこむとレイテンシが改善されるらしい。やってみたけどちょっとマシになる程度
$$$ SQ,16 // low latency 優先モードになる (スループットが落ちる) SQ,0 でデフォルト GQ // 現在のモード
ハシゴフィーダー
オリジナルのツェップアンテナはハシゴフィーダーを使うが、なぜハシゴなのかよくわかっていなかった。
要は、エンドフェッドでインピーダンスが高いワイヤーへの給電に、同調型のハシゴフィーダーを使うことで、インピーダンス変換を行うということのようだ。
ハシゴフィーダーを同調型として使うことで、平衡経路であるハシゴフィーダー上からは、位相が反対の定在波が立ち打ち消しあって電波がでないが、インピーダンスは長さによって (伝送路インピーダンスとは異なった) 変化する値になり、ちょうどいい長さに調整することで給電できる。このとき、定在波が立っているのでケーブルの伝送路インピーダンスは直接関係なくなる。
同軸の場合、不平衡経路なので、経路上から電波が出てしまい意図した挙動にならない。
ツェップライクと呼ばれるアンテナでは給電にLC共振回路を使って間接的にエレメントに給電している。ハシゴフィーダーの変わりに集中定数で解決している。
ハシゴフィーダーのメリット
- 損失が少ない (7D同軸の10分の1程度)
- インピーダンスマッチングを兼ねられる
- 細かい線路インピーダンスは無視できるので自作可能
デメリット
- 雨や周辺環境の影響を受けやすい
- 同調型で使う場合、長さに制約がある
- 必然的にでかい
- 耐久性があまりない
アンテナの合わせかた、またはSWRが高くても飛ぶアンテナ
重要なこと: SWR が下がっていれば同調していると考えていいが、SWRが高いからといって同調していないというわけではない。
というのも、リアクタンス成分がゼロ (=共振) でも抵抗成分がミスマッチだとSWRは高くなるから。
正しいアンテナの調整方法は
- まずアンテナ系を共振状態にする
- リアクタンス成分をゼロに近づける
- アンテナの流さ・コイルなど
- インピーダンスを50Ωにあわせる
- トランスで変換するか、アンテナの角度調整・ATUで強制マッチ
アンテナが共振状態であれば、あとはマッチングすれば電波は飛ぶ。SWR 計だけだとインピーダンスがどうなっているのかわからないので、詳しく見るにはアンテナアナライザーが必要。
SWR の最小値が見つかるならば、そこは同調点と考えていい。その場合、最低点におけるSWRの高さはインピーダンスの抵抗成分のミスマッチによるものになるので、確かに同調しているならばATUで最後だけあわせこんでも問題ない (はず)