αシリーズ(?)は電子先幕シャッターがデフォルトだが、デメリットがわかりにくいので調べた。
電子先幕シャッター自体の説明はググったほうがわかりやすいが、一応以下のように比較してかるく説明しておく。
シャッター方式はいくつかあって
- (フル) フォーカルプレーンシャッター: 一眼レフカメラなどに採用されている。物理的な先幕・後幕がセンサー前を走るもの
- 電子先幕シャッター:基本的にフォーカルプレーンシャッターと同じだが、先幕を電子的に行う (センサーの電荷をクリアすることで前幕とする)
- 電子シャッター (サイレント撮影):先幕も後幕も電子的に行う。先幕は電荷クリアで行い、後幕は連続した読み出しで行う
完全電子シャッターはレリーズラグがなく機械的に動く部分がないので静かなことが利点だが、センサー読み出し速度で律速されてローリングシャッター歪みが起こる欠点がある。
電子先幕シャッターは機械式フォーカルプレーンシャッターと電子シャッターの中間的な技術になる。ここまでが前提
利点
電子先幕シャッターの利点は、フルフォーカルプレーンシャッターと比べて以下の通り。
- 前幕のシャッターショックをなくせる
- レリーズラグの短縮
ミラーレスだとライブビューのためにシャッター幕が開きっぱなしなので、フルフォーカルプレーンシャッターを行おうとするとまず前幕を閉めないといけない。これはレリーズラグになるし振動を発生させる。
幕の振動はミラーの振動よりは少ないとはいえ、昨今の超高画素センサー・高解像度レンズではやはり問題になる。
欠点
説明書に書いてあることだが、電子先幕シャッターの欠点は
- 高速シャッターで絞り開放のときボケ像が欠ける
- 露出ムラがおこることがある
このふたつはフルフォーカルプレーンシャッターでも、電子シャッターでも発生しない、電子先幕シャッター特有の欠点になっている。
「なぜそうなるか」が説明書には書いてないので、これらの原因は想像しにくい。おおむね2つの要因がある
- センサー面(先幕面)とフォーカルプレーンシャッター(後幕面)が同一面に存在してないことによる
- 光線角度によってはセンサーが後幕の影になってしまう
- 先幕と後幕の同調のためにレンズ焦点距離などの情報が必要 (正確には光線角度など?)
説明書ではミノルタ製レンズで電子先幕シャッターが推奨されていないが、これは後者にひっかかるためだと思われる。
ボケ像の欠けはちょっと難しい。センサーに対して角度をつけて入射する光線が、後幕によって遮られることで起こる。高速シャッターの場合、前幕と後幕のギャップが小さくなるため、より厳しい条件になる。ちなみに前ボケと後ボケでは光線角度が逆になるため、欠けるになる位置が上下で反転する。
MC-11 などで純正レンズ以外を使うときはどうか?
純正レンズ以外だと電子先幕の露出ムラが起こりやすい。空を撮影するとわかりやすく上のほうが暗くなったりすることがある。
これは若干補正しずらいので (手動でグラーデーション補正が必要)、均等な露出の優先度が高い場合は電子先幕シャッターはオフとするか、電子シャッター(サイレント撮影)としたほうが良さそう。