こういうやつ、2000円ぐらい。シールドケースに入っているが、シールドケースの上側はすぐ外すことができる。シールドケース内に精度部品が配置されるようになっているので、ノイズ低減と温度変化低減を狙っているのかもしれない。

LM399H と LTC1001 が使われている、LM399 のデータシートに書いてあるリファレンスデザインっぽい。

ジャンパで出力電圧を変更できるようになっており、以下の通り設定する。ややこしい

気になったので回路図を起こしてみた。基本的には LM399 のリファレンスデザインと同じ。オペアンプのゲインは 1.45 で固定、入力の 6.95V の基準電圧を分圧することでそれぞれの設定電圧を出せるようになっている。

最初、計算があわないなーと思ってたら 1802 と書いてある抵抗のところ、2段重ねになっていた。下の抵抗の表記は見えないが 1802 らしく、合成で 9kΩ にしているっぽい。なんでややこしいことしてるかは謎

一応、出力電圧に関係ある部分には4桁表示の高精度抵抗が使われている雰囲気がある。精度に関係ない 7.5kΩ は普通の抵抗。

ちなみにヒーターのせいか結構消費電力が激しい。最大200mA、温まってくると20mAぐらいまで下がる。データシートから読むと安定するまで10秒ぐらいは最低でも待ったほうがよさそう。

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1200円ぐらい

https://www.analog.com/media/en/technical-documentation/data-sheets/AD584.pdf

AD584JH は 30ppm/℃ (0〜70℃) 25ppm/1000時間。AD584 の良いところは特に外付け部品がいらず、AD584内部にトリミングされた分圧抵抗が含まれるところ。スペックを以下の通りで、そのまま外部出力となっている。

  • 2.5V ±7.5mV 0.3%
  • 5.0V ±15mV 0.3%
  • 7.5V ±20mV 0.27%
  • 10V ±30mV 0.3%

このボードは校正済みらしい測定器の測定結果が4桁書いてあり、今回はそれぞれ以下の通り (括弧は呼び電圧に対する絶対誤差と相対誤差)

  • 2.498V (-2mV -0.08%)
  • 5.001V (+1mV +0.02%)
  • 7.498V (-2mV -0.027%)
  • 10.001V (+0.1mV +0.001%)

この測定値は何度で測ったか不明。30ppm つまり 30e-6/℃ なので、±10℃ぐらいの誤差を見込むと0.03%、10Vで±3mV程度。このぐらいの誤差は観測されてもしょうがない。

基板に載っている電池ホルダは 23A という単5サイズの積層12V電池用。ヨドバシだとパナソニック LRV08/1BP、秋月だとゴールデンパワー製 A23 というのが買える。50mAh ぐらいしか容量がない。

AD584 自体は 1mA、基板上に LED があり 5.1kΩを介して電流が流れ、これが 2.4mA。電圧が下がってくることも考えると、電池1本で10時間程度使えたらいいほうか。といっても普通に外部入力することもできる。

ただ、電池が使えるといっても 12V だと仕様上若干電圧が足りない。出力電圧 +2V 以上加える必要がある。

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