2016年 09月 08日

BIOS 画面でもBluetooth LE な無線キーボードを使いたい

HID Proxy機能のあるドングルを使うとOSを介さずUSB HIDキーボードとしてBIOS起動時に認識させることができます。(BIOSというか、近年だと UEFI ですが)

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5.0 / 5.0

MM-BTUD43 (CSR8510 A10)

一部の BLE USB アダプタには HID Proxy モードが結構前から実装されているようです。これは CSR 社製のものです。たまたま手元にあったのですが、どうやらこれも HID Proxy モードをそなえいるようです。

経緯

BIOS 画面で BLE キーボードを使うため、HID Proxy モードのあるアダプタを探していました。当初そんなものはなさそうと思ってたのですが、最近になって以下のようなページを見つけました。

How to put CSR8510 A10 into HID Proxy Mode?

Switching Boot Modes
The initial boot mode is set by PSKEY_INITIAL_BOOTMODE. If this PS Key is set to 2 (HID proxy mode), CSR8510 A10 enumerates as USB HID device.

When the PC boots with its operating system and Bluetooth host stack, the Bluetooth host stack may reboot the CSR8510 A10 in mode 0 (standard HCI operation).
In this mode, the Bluetooth Host Stack handles the HID device functions.

Note:
Switching from HID to HCI is allowed in both HID Boot Protocol Mode and HID Report Protocol Mode configuration. In HID Report Protocol Mode, the USB report descriptors should include the feature report to accept the USB Set Feature request to accept the command from the host.

This report is defined as:
/* Feature report to enable Host Communications */
0x06, 0x00, 0xff, /* USAGE PAGE (Vendor 0xFF00) */
0x09, 0x01, /* USAGE (Vendor Page 1) */
0x95, 0x08, /* REPORT COUNT (8) */
0x75, 0x08, /* REPORT SIZE (8) */
0xB1, 0x02, /* FEATURE (Var) */


When in HCI mode - it is basically a 'pass-through' mode - no profiles, can with any Bluetooth 'flavour'.

When in HID Proxy mode - it is indeed meant for BLE only - using 2 instances of HID over GATT, one for keyboard and one for mouse.

対象は BLE デバイスのみです。もちろん事前にOSを起動した状態でペアリング(正確にはボンディング)してある必要があります。これによってデバイスに情報が保存され、HID Proxy モードでも通信が可能になります。

しかし、デフォルトでは PSKEY_INITIAL_BOOTMODE は 0x0000 のようで、HID Proxy として働きません。本来メーカーで設定する項目で、ユーザが書きかえられる部分ではありません。ただ、ちょっと面倒ですがデバイスを再設定することができました。

bccmd

Linux の bluez に CSR のデバイスを設定するためのコマンドが含まれており、これを使って HID Proxy モードを有効にします。

手元にさっと利用できる Linux が Raspberry Pi しかなかったので、Raspberry Pi で行いました。bluez が入ってさえいればなんでもいいはずです。おそらく VM 上で起動しても一時的にデバイスを VM 側に接続するようにすれば動くはずです。

USB にデバイスを接続した上で以下のコマンドを実行していきます。

# 現在のブートモードを確認
$ sudo bccmd psget bootmode
Initial device bootmode: 0x0000 (0)

# アドレスを確認
$ sudo bccmd psread -s 0
...
0x03cd - Initial device bootmode (2 bytes)
...

# アドレスにブートモードを書きこむ 0x0002 が HID Proxy モードらしい
$ sudo bccmd psset -s 0 0x03cd 0x0002

# 確認
$ sudo bccmd psget bootmode
Initial device bootmode: 0x0002 (2)

しかしどうも、OS起動後は HCI モードに移行というのは全くうまく動きません。HID Proxy から抜けられない。そして、 HID Proxy から抜けられないと bccmd がデバイスを認識しません (productId も変化するんですが、bccmd がそれに対応してないのでUSBデバイスを見付けられない)

ってことで、試したはいいけど戻せなくなってあせりました。

bluez の tools をコンパイル

bluez のツールとして /lib/udev/hid2hci という hid から hci に移行させるツールがあって、これで強制的に HCI にできるかと思いきや、できませんでした。調べているとシステムにインストールされているやつが古かったので、自力でコンパイルします。

http://www.bluez.org/download/

 sudo apt-get install libglib2.0-dev
 sudo apt-get install libdbus-1-dev
 sudo apt-get install libudev-dev
 sudo apt-get install libical-dev
 sudo apt-get install libreadline-dev
 sudo apt-get install libbluetooth-dev

本来必要ない依存もあるかと思いますが、これらを入れないと configure が通らず Makefile が生成されないので全て入れています。

wget http://www.kernel.org/pub/linux/bluetooth/bluez-5.41.tar.xz
tar xJvf bluez-5.41.tar.xz
cd bluez-5.41
 ./configure
 make tools/hid2hci

全部ビルドする必要はないので hid2hci のみビルドしました。これで以下のように戻します。

sudo ./tools/hid2hci --method=csr2 --devpath=$(udevadm trigger  --subsystem-match=usb --attr-match=idVendor=0a12 --attr-match=idProduct=100b --verbose | cut -d '/' -f 3-)
# HCI モードに戻ったので bccmd が普通に使えるように
sudo bccmd psget bootmode

method=csr2 がポイントです。最新だとこのメソッドが使えるようになっていて、HCI モードに移行できます。

なお、このコマンドでやっていることは冒頭で引用した中にある feature report を送っているだけです。なので HID のレポートを送れさえすれば bluez をコンパイルする必要はないはずです…… が、さくっと feature report 送るみたいなのもなかなか難しいのでコンパイルしてみました。

HID Proxy モードを活用するためには…

ペアリングするときだけ HCI として起動してくれればいいので、基本的には HID モードでも良いかという気はします。ただ、キーボード1つにつき1つのBLEドングルが必要になりますので、Bluetooth デバイスが他にもあるなら OS 起動中はちゃんと HCI モードになってほしいところです。

ということで、OS起動時にhid2hci相当のことをやるコマンドを起動すれば問題なさそうです。しかしWindows でこれをやるのは若干面倒です。検索すると hid2hci.exe という CSR のツールがあることはわかるのですが、公式に入手する方法が見つけられませんでした (デバイススタックと一緒にインストールされるのかもしれませんが、OS 標準のスタックを使ってるのでインストールしたくありません)。他のところから怪しい .exe なんてダウンロードして実行するのは愚かなことなので、自分でなんとかします。

hid2hcix.exe

結局、自分で書くのが一番てっとり早いので、hidapi を使って書いてみました。mingw でクロスコンパイル環境にして OS X でコンパイルしています。

Linux には hid2hci があるのでいいとして、OSX でも無駄にコンパイルできるので、主要OSで HCI モードにできる安心感が生まれます。

hidapi がそのままだとキーボードのHIDデバイスに対して使えないので、1行だけ修正をいれてあります。キーボード・マウスのようなHIDデバイスはWindowsがOSレベルで握ってしまっていて、デバイスファイルを CreateFile できないという問題があるようです。また、キーボードやマウスには Feature Report のやりとりしかできません。

Linux の hid2hci をまるまる再実装したほうが便利かもしれませんが、HCI から HID に戻す実装は HCI にアクセスする必要があって面倒ですし、自分の環境だと CSR の CSR8510 A10 以外に入手できるものがないので、決め打ちの実装になっています。

レポジトリ内のコードだけでコンパイルも簡単だしこれで必要十分でしょう。これをOS起動時に自動実行するようにすれば、OS起動前はHID Proxy、OS起動後は Bluetooth ドングルとして働くことになります。

国内販売で CSR8510 A10 を使ってると確認できるもの

レビューとかを見るとプロトコルスタックをインストールしている記述が多かったりしますが、Windows 10 なら OS にプロトコルスタックがあるので不要です。自分ではインストールしたことありません。かなり古いレビューがずっと残ってるので注意が必要です。

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5.0 / 5.0

上にも書きましたが MM-BTUD43 は手元にあって、確認済みです。

プラネックス PLANEX Bluetooth USBアダプター Ver.4.0+EDR/LE(省エネ設計)対応 BT-Micro4 - プラネックス

プラネックス

4.0 / 5.0

PLANEX BT-Micro4 は公式に技術情報を公開していて、CSR 8510A10 であることを表記しています。これも手元にあって、確認済みです。

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3.0 / 5.0

ロジテック LBT-UAN04C1BK も CSR 8510A10 のようです。これは持ってないので確認してません。高いので特にこれを選ぶ理由はなさそうです。

ref

BLE Nano に載ってる MDBT40 モジュールのメモ

BLE Nano に載ってる MDBT40 モジュールの認証情報: MDBT40

  • F1D 2402-2480MHz(40ch) 3.0mW/MHz
  • F1D 2405-2480MHz(16ch) 3.0mW

MDBT40 の最大出力は +4dBm。W換算すると2.5mW。少し余裕があるのは mW 単位での承認なんだろうか?

MDBT40P

Seeed Studio が MDBT40P を販売している。けど、メモリサイズが16KBなのか32KBなのか書いてなくて定かではない (たぶん16KB)

MDBT40P と MDBT40 の違いはアンテナで、P は Printed Circuit Antenna のことで、よくあるトレースアンテナ。MDBT40 のほうは積層チップアンテナ。

メーカー仕様書を見ると、積層チップアンテナでは Over 80mm、トレースアンテナでは Up to 60m と書いてあり、あきらかに電波の飛びは違うみたい。アンテナの性能が良いということは、同じ距離飛ばすために必要な送信出力が低いということですから、低消費電力に繋がります。

BLE Nano には MDBT40 が使われているけど、MDBT40の単体販売は ebay で多少あるぐらい。

MDBT40 シリーズはスペック違いがいくつかあるけど、BLE Nano に使われているような、チップアンテナ+256KB Flash+32KB RAM というモデルの単品販売は見つけられなかった。BLE Nano を買うしかない。

MDBT40P の技適は?

アンテナも含めての技適なので、アンテナが変わってる場合、技適が適用されているか改めて注意する必要がある。

メーカー仕様を見る限り、MDBT40P も、あるいは他の多少違うモデルに関しても「MDBT40」という統一モデルとして工事設計認証番号を取得しており、製品にマークと刻印があるので問題なさそう。

2016年 09月 07日

Visual Studio Community で Console Application を書こうとして挫折した

PowerShell がダメだったので、素直に Visual Studio 入れて C# 書くぞと思ったわけです。そしたらハマらず書けるだろと。検索したらいかにも動きそうなサンプルコードでてくるしね。

で2時間ぐらい試行錯誤したけど、ダメでした。

References に Windows.Devices を入れたりいろいろして、うまくいきそうだなと思ったけど、結局 await が動かない。Console Application で作ろうとしてるのが悪いのかなんなのかわからないけど、

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using Windows.Devices.HumanInterfaceDevice;
using Windows.Devices.Enumeration;
// WindowsRuntimeSystemExtensions could not be found
// using WindowsRuntimeSystemExtensions.AsTask;

namespace Foo
{

    class Program
    {
        const UInt16 USAGE_PAGE = 0x01; // Generic Desktop Ctrls
        const UInt16 USAGE_ID = 0x06; // Keyboard

        static void Main(string[] args)
        {
            Task.Factory.StartNew(async () =>
            {
                await new Program().run();
            })
            .Unwrap()
            .Wait();
        }

        private async Task run()
        {
            var selector = HidDevice.GetDeviceSelector(USAGE_PAGE, USAGE_ID);
            var devices = await DeviceInformation.FindAllAsync(selector);
            Console.WriteLine("%s", devices);
        }
    }
}

が書けないんですよ。IAsyncOperation に GetAwaitor がないから await できないって怒られる。よくわからんけど .AsTask() とインスタンスメソッド形式で WindowsRuntimeSystemExtensions を読んでみるけど、これがそもそもできない。

References に WindowsRuntime がないせいか?と思ったけど、Add References... には WindowsRuntime なんで微塵も出てこないんですよ。

で、そういや NuGet とかいう臭そうな名前のパッケージマネージャがあったなと思って、 Manage NuGet Packages... から WindowsRuntime を検索すると、あるわけですね。

ははーん。ようやく辿りついたぞ、って思うじゃないですか。意気揚々と Install ボタンをクリックします。Output を見てるとなんとなくインストールすすんでいる様子がみえます。で、画面の表示が更新されて Output が表示から消えたんで、インストール終わったんだなと思いました。しかしそこには何の変化もない Solution Explorer さんの姿がありました。References にも何も増えてない。一体何をインストールしたんだ?と思ったら、NuGet の画面をもう一度見ると、まだ「Install」のままなんですよ。

そこでまぁ1回ぐらいは失敗するよなと思ってもっかい Install をしました。また Output にインストールがすすむ様子がうかがえました。画面が更新されました。インストールされたはずですが何も変化がありません。もしやと思って、インストール終了と共に自動的に非表示になった Output 画面を見ると、最後の最後で

Could not install package 'System.Runtime.WindowsRuntime 4.0.11'. You are trying to install this package into a project that targets '.NETFramework,Version=v4.6.1', but the package does not contain any assembly references or content files that are compatible with that framework. For more information, contact the package author.
========== Finished ==========

とか出てるんです。エラーメッセージもお世辞にも親切ではない。意味がわかりません。どうしようもないので諦めました。

さようなら Visual Studio。

いくつかのメモ

普段 IntelliJ IDEA を使ってるので、Visual Studio を使ってみると???ってなるところがかなりある。一言でいうと「おもてなし感がない」

  • using を手動で書かなければいけない? いきなりクラス名と書きはじめても一切補完されないし、自動的に using が書かれたりもしない。何かやりかたがある?
  • using を書いても References に自動的に依存が追加されたりはしない。その using がどのアセンブリに入ってるか把握して References に追加しないといけない。
  • using を書いても反映されるまで数秒かかり (別に低スペックマシンってわけじゃないのに)、赤い警告が消えないので「え? これ間違えてるの?」ってしばらく思うハメになる
  • ググって出てくる情報が大抵古い。Windows8 とかいう古代のOSの時代の情報がでてくる。WindowsRuntime を使うときに「このdllを追加しろ!」と「ほげほげを追加しろ!」とかひっかかってくれるんだけど、全部情報が古いので使えない。
  • エディタ上に赤線で警告がでるけど、キーボード操作で見ることができない?? マウスポインタをかざさないと見れなくて何がおかしいのがさっぱりわからない。

フツーにちょろっと、うまくいけば10分〜20分ぐらいで書けるコードのはずだったのに、時間を無駄にしたなあという感じで満足度が極めて低い…… 前向きに考えると、自分の技術力が低すぎて Windows アプリケーション作るのは不可能ってことがわかって良かった。

2016年 09月 06日

Windows PowerShell から Windows Runtime API を呼びたかった

[Windows.Devices.HumanInterfaceDevice.HidDevice,Windows.Devices.HumaInterfaceDevice,ContentType=WindowsRuntime]
[Windows.Devices.Enumeration.DeviceInformation,Windows.Devices.Enumeration,ContentType=WindowsRuntime]

こう書いておくと、

$selector =  [Windows.Devices.HumanInterfaceDevice.HidDevice]::GetDeviceSelector($usagePage, $usageId)
$async = [Windows.Devices.Enumeration.DeviceInformation]::FindAllAsync($selector)

と、ここまでは書くことができる。しかし PowerShell には非同期サポートがないので、これ以上どうしようもない。

とりあえず Task に変換して sleep しながら IsCompleted を見ればなんとかなるかなと思い以下のようにしてみた

$task = [Windows.Devices.Enumeration.DeviceInformation]::FindAllAsync($selector).AsTask()

これはうまくいかない。AsTask() が存在しないと言われる。WindowsRuntimeSystemExtensions だからしかたないのかな? と思い、さらに以下のように展開してみる

$task = [WindowsRuntimeSystemExtensions]::AsTask([Windows.Devices.Enumeration.DeviceInformation]::FindAllAsync($selector))

これはオーバーロードされているメソッドが見つからないというエラーになる。引数が実行時に型なしになるためだと思い、型指定をつけてみる

$task = [WindowsRuntimeSystemExtensions]::AsTask([Windows.Foundation.IAsyncOperation] [Windows.Devices.Enumeration.DeviceInformation]::FindAllAsync($selector))

これは Windows.Foundation.IAsyncOperation が存在しないと言われてエラーになる。

[Windows.Foundation.IAsyncOperation,Windows.Foundation,ContentType=WindowsRuntime]

を冒頭に足してみるが、ダメ。Foundation だから? わからないけどとにかくダメ。Add-Type とかしてみてもダメ。

結論:PowerShell とかクソ

他の方法

C# でラッパーを書いてロードすればなんとかなる。が、ビルトインの機能でなんとかしたくて PowerShell を使っているのであって、C# で書くなら全部C#で書くわハゲ

2016年 09月 05日

保護メガネを新調した

3M バーチュア V4 保護めがね 11672 - スリーエム(3M)

スリーエム(3M)

5.0 / 5.0

今まで100均の保護メガネを使ってたけど、ものすごく曇るので、本当に必要そうなときしかつけてないことが多かった。結構つけたりはずしたりするのが面倒。

上記のやつを買ってみたけど、ほんと全然曇らなくてびっくりする。しかし夏は暑いので、やっぱつけはずしは多少しないとダメだなって感じ。

100均のは捨てた。

2016年 09月 04日

Karabiner で自作キーボードが認識しなかった件

余談だけど、既存キーボードと併用して Karabiner を使えば実際に左右分割で使えるはず、と思ったが、どうもそれができなかった。修飾キーの共有が BLE キーボードだとうまくいかないみたいだった。Karabiner からもキーボードデバイスとして認識されず謎。これは未だ謎。入力はできてるけどキーボードデバイスとして認識されてない。

https://lowreal.net/2016/09/01/2

と書いたんですが、いろいろやってるうちにできるようになったので記録しておきます。

OS では認識されているにも関わらず EventViewer の Devices にも出なくて???と思っていましたが、どうやら PnP ID (Vendor ID / Product ID) がないと Karabiner に認識されないみたいでした。

といっても VendorID をとるのは難しいので、おそらく一生割り当てられないであろうIDで適当に設定しました (不正ですが)

PnP ID も UUID ベースにすればいいのに、完全登録制なのは不自由な感じがしますね。

BLE Nano (nRF51) HOGP で接続中のアイドル電流

ペアリングして、waitForEvents でスリープしている時間の電流値、つまりアプリケーション的にはアイドル時の各OSごとの消費電流を測った。

というのも基本的に OSX でデバッグしていて殆ど他のOSで検証してなかったからです。

  • OSX: 0.0054mA
  • Windows 10: 0.8mA
  • Android 5系: 0.185mA

なんでこんなに違うんだろうという結果でした。Windows で消費電流が多いのはうすうす気付いてたんですが、あまりにも多過ぎる。

OSドライバが Input Report を READ しまくってる? Notification による実装になっていないとか? よくわからない。slave latency を鬼のように増やしても消費に影響がほとんどないので、強制的に起こすようなパケットがめっちゃ送られていそう。さっぱりわからない。

コネクションまわりのパラメータは実装上、

  • Max Connection Interval
  • Min Connection Interval
  • Slave Latency
  • Connection Supervision Timeout

ぐらいしかなく、どれを変えても変化がない。PnP ID によって専用ドライバが呼ばれるとかがあるのだろうか? と思ったけど、よくわからない。

USB ベースのHIDで実装するとそういうことになってる可能性もないことはない気がする。しかし Microsoft自身も BLE キーボードは発売しているし、こんなことになるはずはないと思う。

BLE のパケットスニファができればもうすこし原因に近付けるかもしれないけど、流れてるパケットがわかっても対処方法が思いつくとは限らないのでやる気があまり沸いてない。というか既に割と飽きてるので OSX で問題ない挙動のために頑張るモチベーションがない……

BLE + HOGP でまともに動いているデバイスの service / characteristics / descriptor のダンプなどをお持ちのかたはお知らせください……

現状の BLE 接続の市販キーボード

市販のBluetoothキーボードの大半は 3.0 です。BLE にしてもそんな意味ないですしね。

Designer Bluetooth® Desktop (デザイナー Bluetooth® デスクトップ)

マイクロソフト デザイナー Bluetooth デスクトップ 7N9-00023 : ワイヤレス キーボード マウス セット 長時間バッテリー Bluetooth ( ブラック ) - マイクロソフト

マイクロソフト

3.0 / 5.0

高いうえに日本語配列なので買う気はしないんだけど、評判が良い。そして、スペックシートがすごいしっかりしてて

  • Nordic nRF51822 (Bluetooth Low Energy)
  • Bluetooth Profile Support HID Over Gatt Profile (HOGP)
  • Keyboard: Up to 12 months typical ( 2 AAA alkaline batteries)

と書いてある。使用条件が書いてないのでなんともいえないけど、ディープスリープも実装されてそう。

Universal Foldable Keyboard (ユニバーサル フォルダブル キーボード)

マイクロソフト 薄型キーボード Bluetooth対応/ワイヤレス/折りたたみ Windows/Androidタブレット/iPad, iPhone対応 Universal Foldable Keyboard GU5-00014 - マイクロソフト

マイクロソフト

3.0 / 5.0

これも高い…… Bluetooth 4.0 の HID 接続って書いてあるので、おそらく HOGP だけど、スペックシートには詳しく書いてない。

  • Rechargeable 3.7V 165mAh (min.) Lithium battery
  • 3 months typical

OS X でもペアリング可能っぽい。

英語配列なら買ってみてもいいかと思ったけど、国内だと英語版は売ってない。まじひどい。「製品のイメージは英語版です。実際の製品は日本語のキー配列となります」とか書いてあるので写真に騙されないように。

ただ、技適は国際モデルで共通のようで、国内でも相互承認(MRA)による工事設計認証で認証が通っており、製品にも技適マークがある模様。なので輸入さえすれば法的にも問題なく使えるっぽい。

マイクロソフトの製品の技適検索は数字しかないからわかりにくい。技術データシートに Model
number: 1695, Universal Foldable Keyboard. FCC ID: C3K1695 とか書いてあって、モデル番号がわかる。

Amazon.com だと現時点で$53だった。どうせ日本に発送しないんだろ、、と思ったらちゃんと発送してくれる。送料は最低で$6。結構いいんじゃないか?

Apple Magic Keyboard 2

Apple Magic Keyboard (US配列) MLA22LL/A - アップル

アップル

2.0 / 5.0

まじで高い…… BLE らしいけど、詳細は書いてない。

2016年 09月 02日

BLE Nano のオンラインプロジェクトをエクスポートして GCC でコンパイルして RAM 32kB 使えるようにする

必要なもの

arm-none-eabi-* とsrecord が必要。platformio を使ってるなら arm-none-eabi は ~/.platformio/packages/toolchain-gccarmnoneeabi/bin/ に入ってるので、パスを通すか Makefile を修正すればいい。

srecord は brew からインストールできる。

brew install srecord

エクスポートと make

"GCC (ARM Embedded)" でエクスポートする。

とりあえず make してみると、リンク以外はうまくいった。

vfprintf.c:(.text.__ssputs_r+0x46): undefined reference to `__wrap__malloc_r'
vfprintf.c:(.text.__ssputs_r+0x66): undefined reference to `__wrap__realloc_r'
vfprintf.c:(.text.__ssputs_r+0x72): undefined reference to `__wrap__free_r'

と言われてリンクできなかった。

Makefile のうち -Wl,--wrap,_malloc_r -Wl,--wrap,_free_r -Wl,--wrap,_realloc_r を消せばうまくいった。

Makefile は標準的な mbed とリンクしていることを想定していて、うまくいかないところがある。

mbed の代わりに mbed-dev をインポートしている場合以下の書きかえが必要

# SOFTDEVICE = mbed/TARGET_RBLAB_BLENANO/TARGET_NORDIC/TARGET_MCU_NRF51822/Lib/s130_nrf51822_1_0_0/s130_nrf51_1.0.0_softdevice.hex
SOFTDEVICE = ../mbed-dev/targets/hal/TARGET_NORDIC/TARGET_MCU_NRF51822/Lib/s130_nrf51822_1_0_0/s130_nrf51_1.0.0_softdevice.hex

これで、make merge すると .build/combined.hex ができる。これを書きこめば使える。

メモリを32kb使えるようにする

mbed のオンラインコンパイラは BLE Nano v1.5 に対応しておらず、常に RAM を 16kb でしか使えない。実際にアプリケーションで使えるのは6kb程度となっていて、おそろしくキツい。

エクスポートしたらやりたいほうだいなので、リンカスクリプトを以下にように書きかえる。

--- mbed-dev/targets/cmsis/TARGET_NORDIC/TARGET_MCU_NRF51822/TOOLCHAIN_GCC_ARM/TARGET_MCU_NRF51_16K_S130/NRF51822.ld	2016-09-01 13:30:12.000000000 +0900
+++ NRF51822.ld	2016-09-01 22:39:00.000000000 +0900
@@ -3,7 +3,7 @@
 MEMORY
 {
   FLASH (rx) : ORIGIN = 0x0001C000, LENGTH = 0x24000
-  RAM (rwx) :  ORIGIN = 0x20002800, LENGTH = 0x1800
+  RAM (rwx) :  ORIGIN = 0x20002800, LENGTH = 0x5800
 }
 
 OUTPUT_FORMAT ("elf32-littlearm", "elf32-bigarm", "elf32-littlearm")

メモリ量チェック用に main の最初にこんなのを書いている。

	{
		const uint32_t reason = NRF_POWER->RESETREAS;
		NRF_POWER->RESETREAS = 0xffffffff; // clear reason
		// reset cause should be shown everytime
		serial.printf("init [%x] sp:%x\r\n", reason, GET_SP());
	}

以下にようになった

# LD スクリプト変更前
init [4] sp:20003fd0
# LD スクリプト変更後
init [4] sp:20007fd0

16kb のときメモリの最後は 0x20004000、32kb のときメモリの最後は 0x20008000 になるはずなので、main の最初の sp がこの値なら問題なく 32kb 使えているはず。

オンラインコンパイラでなんとかできないか

試行錯誤したけどダメだった。ARM は 0x00000000 から読んで MSP として初期化されるので、ここを書きかえれば初期スタックポインタの位置を移動できるはずだけど、生成された hex ファイルから該当部分だけを書きかえてもダメだった。

書きかえてブートさせてみると main までこないので、何か完全にハズれているらしい。リンカの段階でほかにも値を計算して書いてるのかもしれない。

BLE Nano (nRF51822)、waitForEvent ( sd_app_evt_wait() ) 中に予期せず WDT が発動する場合

ぐっすり寝てると犬に噛まれて殺される。

BLE で接続を維持しつつ、waitForEvent ( sd_app_evt_wait() ) でイベントが起きるまで寝ているケースで、予期せず Watch Dog Timer が発動するという罠にひっかかったので共有いたします。

前提

  • SoftDevice を使って BLE 接続を確立している
  • sd_app_evt_wait() してアプリケーションイベントをずっと待っている
  • WDT を SLEEP 時には PAUSE になるように設定している
  • 途中でアプリケーションの割り込みが入らない (タイマーとかを使っていない)

Pause する設定というのは以下のようなことです。

NRF_WDT->CONFIG = WDT_CONFIG_SLEEP_Pause << WDT_CONFIG_SLEEP_Pos;

予期しないWDTのタイムアウト

SLEEP 時には WDT を止まるようにしていて、アプリケーションは sd_app_evt_wait() で寝ています。よってWDTは働かないことを期待しましたが、本来の WDT の設定時間よりも遥かに長い時間を経過したあと、WDT によりアプリケーションがリセットされました。

原因

結論からいうと sd_app_evt_wait() で寝ていても、SoftDevice は無線アクティビティのために極めて短時間ですが CPU を起こして活動しているため、WDT の設定の「SLEEP 中は PAUSE」の状況にあてはまらない時間が発生します。おかげで、長い時間をかけて本来のタイムアウトに近付き、WDT がタイムアウトします。

対策

アプリケーションレベルでも、十分に短い間隔で割り込みを発生させて、明示的に WDT をリセットする。

普通はメインループで WDT のリセットを書いてますから、単に sd_app_evt_wait() の直前にワンショットなタイマーをかけて一定時間後に割り込みをかければ、割り込み関数で何もしなくても目的を達成できます。


今回3秒のタイムアウトを設定していましたが、このケースで実際に WDT が発生するまでには10分〜30分以上の時間 (無線アクティビティの頻度による) かかりました。なのでかなり安全目にふって1分ごとに起きてWDTをリセットするようなコードにしたところ、問題が発生することはなくなりました。

ケースが限定されていますが非常に見つけにくいバグだと思いました。悩みすぎて死ぬかと思った。

備考:WDT は一度動くと止められない

一度 TASKS_START = 1 すると止められません。STOP するタスクはありません。

RREN を一時的に 0 にすれば止まるかと思いましたが無理です。

The watchdog must be configured before it is started. After it is started, the watchdog’s configuration registers, which comprises registers CRV, RREN, and CONFIG, will be blocked for further configuration.

備考:WDT のタイムアウトのカウンタはとれない

WDT のカウンタがどれぐらいすすんだか? を調べたかったのですが、取得する方法がないようです。