前回はレンズキャップ前面をピンホール面としたため、フランジバック+レンズキャップの厚みで焦点距離 25mm 相当だった。これはこれでよいのだが、せっかくなのでもっと広角化したくなった。超広角でもピンホールならディストーションゼロなのだ (そもそも解像度が足りないが)。

適当に図面をひいた感じだと、14mm 程度までならレンズキャップにケラれず、マウント内部構造にも干渉しなそうということがわかった。これをもとに作ってみる。マウント内部には電子接点があるのでこれを避ける必要がある。

どうやって 14mm の位置に穴をあけるか

基本はマウントキャップで、これ加えマウント側に突き出す筒を作る。といっても元々マウントキャップ自体に突き出し分があって、この突き出し分はマウント内部の電子接点ぎりぎりの長さになっているので、この筒の長さでつくれば良い。回転して固定するマウント形状上、干渉せずにこれより焦点距離を短くするのはむずかしい。

ピンホール径

(2 * Math.sqrt(14e-3 * 550e-9)) * 1000 で計算すると最適なピンホール径は 0.175mm。

先端 0.1mm・30°のVカッターを適当に切り込めば最適な穴があけられるのではないかと考えたが、無理だった。どうしても0.2mm以上になってしまう。

結局は諦めてφ0.2mmの穴で妥協した。

撮ってみる

ごらんの通りで周辺光量減光が激しい。この写真はシーン的に中央に暗い被写体があって全体的に比較的バランスがとれているが、もっと均一なシーンだと周辺が真っ暗になる。

周辺部分も写ってないわけではないので何かにケラれているわけではないようだ。おそらく板厚 0.1mm だと厚すぎるのだろう。少しイメージサークルの中心が上にずれているように見える。正確に中心をとっていないから。

厚さ

ピンホール径 d、厚さ t のときの最大画角は

Math.atan( (d/2) / (t/2) ) * 2 * 180 / Math.PI;

d=0.2 t=0.1 だと 126度。これは光線が届くぎりぎり、光学的には写るという意味で、つまりケラれない範囲。14mmのときの対角画角は114度なのでケラれているわけではなく、写ることは写るのだが、実際は板厚による口径食が起こるため薄ければ薄いほど良い (はず)。

しかし手元には T=0.1mm のものしかないので、エンドミルでφ1mmほど0.5mmほど削ったりしてみた、がいまいち効果はなかった。むずかしい。合計で10個以上穴をあけている気がする。0.1mm 未満の工作は 10x ルーペで確認しても細かいところまで完全にわからない。0.05mm の板で試してみたいけど、あまり売ってないのと、そこまでやることではないよなという気持ちがある。

ちなみにピンホールガチ勢は T=0.03mm ぐらいらしい。ステンレスだと「シム」として 0.05mm までは買いやすいが、それより薄いのはむずかしい。アルミホイルだと 0.035mm などの製品も安いが、コシがなさすぎるので結構むずい (穴があけにくい) と思う。

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  3. Eマウント ピンホールカメラの広角化

デフォルトでは動画モードにすると自動的に Super 35mm になる。つまり画角が狭くなる。フルサイズスチル撮影からいきなり動画モードに入ると画角が狭くなるのでびっくりしてしまう。一方で、設定の APS-C/Super 35mm の設定を「切」にすることでフルサイズ画角になる。取説を読んでもわかりにくいが以下のような特徴がある。

  • Super 35mm はオーバーサンプリングの全画素読み出しを行いプロセッサで4Kに縮小
  • フルサイズの場合は画素加算(隣接ピクセルを1つのピクセルとして扱う)して読み出す

これにより基本的には以下の特徴がある

  • 画質は Super 35mm が上
  • 画角はフルサイズのほうが広い

Super 35mm モードは実質センサーサイズが変わり画角変化があるため APS-C / フルサイズと同様の特徴がある

  • 同一画角なら被写界深度は Super 35mm のほうが深い
  • 画角は元の焦点距離の1.5倍の焦点距離相当になる

ref.

αシリーズ(?)は電子先幕シャッターがデフォルトだが、デメリットがわかりにくいので調べた。

電子先幕シャッター自体の説明はググったほうがわかりやすい。

シャッター方式はいくつかあって

  • (フル) フォーカルプレーンシャッター: 一眼レフカメラなどに採用されている。物理的な先幕・後幕がセンサー前を走るもの
  • 電子先幕シャッター:基本的にフォーカルプレーンシャッターと同じだが、先幕を電子的に行う (センサーの電荷をクリアすることで前幕とする)
  • 電子シャッター (サイレント撮影):先幕も後幕も電子的に行う。先幕は電荷クリアで行い、後幕は連続した読み出しで行う

完全電子シャッターはレリーズラグがなく機械的に動く部分がないので静かなことが利点だが、センサー読み出し速度で律速されてローリングシャッター歪みが起こる欠点がある。

電子先幕シャッターは機械式フォーカルプレーンシャッターと電子シャッターの中間的な技術になる。ここまでが前提

利点

  • 前幕のシャッターショックをなくせる
  • レリーズラグの短縮

ミラーレスだとライブビューのためにシャッター幕が開きっぱなしなので、フルフォーカルプレーンシャッターを行おうとするとまず前幕を閉めないといけない。これはレリーズラグになるし振動を発生させる。

欠点

説明書に書いてあることだが

  • 高速シャッターで絞り開放のときボケ像が欠ける
  • 露出ムラがおこることがある

「なぜそうなるか」が説明書には書いてないので、これらの原因は想像しにくい。おおむね2つの要因がある

  • センサー面(先幕面)とフォーカルプレーンシャッター(後幕面)が同一面に存在してないことによる
    • 光線角度によってはセンサーが後幕の影になってしまう
  • 先幕と後幕の同調のためにレンズ焦点距離などの情報が必要 (正確には光線角度など?)

説明書ではミノルタ製レンズで電子先幕シャッターが推奨されていないが、これは後者にひっかかるためだと思われる。

ボケ像の欠けはちょっと難しい。センサーに対して角度をつけて入射する光線が、後幕によって遮られることで起こる。高速シャッターの場合、前幕と後幕のギャップが小さくなるため、より厳しい条件になる。ちなみに前ボケと後ボケでは光線角度が逆になるため、欠けるになる位置が上下で反転する。

MC-11 などで純正レンズ以外を使うときはどうか?

純正レンズ以外だと電子先幕の露出ムラが起こりやすい。空を撮影するとわかりやすく上のほうが暗くなったりすることがある。若干補正しずらいので (手動でグラーデーション補正が必要)、均等な露出の優先度が高い場合は電子先幕はオフにするかサイレント撮影としたほうが良さそう。

行動遺伝学に関する本を読んでから自分の中でちょっとモヤモヤした点を整理した。

優生学ってのは現代だとタブーとして扱われている。しかしこれは部分的にはあっていて、一方で根本的に間違えている。

まず遺伝による能力の違いはあってこれは配られたカードに相当し変えることができない。人の顏の形と同じ程度に能力は遺伝していく。生まれたときから何らかの差があるのは否定できない。

では何が間違ってるかというと「優れた能力」というのがあるという部分。能力の優劣の判断は人間が行うが、この場合判断する人間よりも優れた形質や、まだ認知されていない能力、現在は必要とされてないが未来で必要な能力は無視されてしまう。

そういう人知を超えた遺伝子選択は理想的な社会 (当然今の社会ではない) でも自然に (自動的に) 行われているので、優生学のような形で人間が自然の判断に介入する余地はない。

そうはいっても能力は評価されるじゃないか

種の存続という意味で能力の評価は意味がない。一方、個は遺伝子によってある能力が律速段階となるのは間違いなく、そして個が生きているのは、現代であって「優れた能力」とされるものがあると信じられている。これは純粋に社会の問題なので個がどうにかできる問題ではなく「生きていくのがつらい」に対する答えは「どうしようもない」でしかない。

多様性を認める徳を養うには

徳を養うためには「優れた能力」があるという前提で考えるのをやめるのが前提になると思う。しかしすっかり馴染まされた考えかたなのでなかなか難しい。具体的な行動として習慣付けられなければ、つまり自然と実践できる形にルールを決めるしかない。

  • そこに存在しているということは生存に有利な形質なのだと理解する
    • 理解できないものは理解しようとしない。人知を超えて生存に有利な仕組みの上にあると理解する

他者理解とは全く逆のことをいってるみたいだが、わからないものを「わからないもの」として認めて置いておくのは、人生と理解力が有限なのでしかたない。ときどきあるけど理解できないことを「理解できない」といちいち言わないこと。

他人もそうだが自分という多様性を認めるのは難しい。自分の評価基準を正したとしても、何かにつけて現在の社会から受ける評価を自己評価に組入れることを要求されるので、誤った「優れた能力」という概念にいちいちつきまとわれることになる。